美川公民館(まちづくりセンター)職員

地域ぐるみで子どもを育むまち、美川公民館の取組とは?

2020.12.22

※本記事は令和2年12月に取材、執筆したものです。
 令和3年4月より美川公民館は「美川まちづくりセンター」に名称が変わりました。

 

 本日は、美川公民館の平野館長に、公民館の取組と地域の現状についてお話を伺いました。周布川沿いの桜並木をはじめ自然が豊かで、趣ある木造校舎の小中学校がある美川地域ですが、現在、少子化の影響を受け、中学校の統廃合議論が浮上しています。学校と地域が協働し、地域ぐるみで子どもを育める環境をアピールし、子育て世帯の移住を呼び掛けています。

 


 

美川の子どもたちは地域住民と一緒に、田植えからしめ縄づくりまで体験

―美川公民館ならではの取組を教えてください。

(平野さん)美川地域には、美川保育園、美川幼稚園、美川小学校、第四中学校があります。公民館を始め地域住民が学校活動に参加し、地域ぐるみで子どもたちの成長を見守っています。特に、1年を通じて行う稲作体験は、美川地域が自然豊かで、小規模校だからこその取組だと思います。

 美川小学校5年生と第四中学校の生徒たちは、毎年、公民館職員や美川地域コーディネーター、地域の皆さんの支援を受けながら、5月に田植えを行い、9月には鎌で稲を刈り、はでかけを行います。刈り取ったお米は文化祭でわかめご飯にしたり、餅つきを行い卒業式に紅白餅を配ったりします。子どもたちはお米作りの大変さを感じ、食物の大切さを学びます。12月には「幼小中合同しめ縄づくり交流会」があります。講師は公民館で募集し、指導者講習会を受けた地域の皆さんです。大人たちが子どもたちのために勉強し、指導する姿はいいものです。園児から高齢者まで様々な年代の人が一堂に会し交流を深めています。

  

(写真左:田植え         写真右:稲刈り)                  

 

(写真:しめ縄づくり交流会)

 

 

 

地域の人が子どもを見守る「美川子ども教室」の取組

―平日の夕方だというのに、美川公民館はにぎやかですね。

(平野さん)美川公民館では「美川子ども教室」として、月曜日の放課後に美川子ども囲碁クラブ、木・金曜日の放課後は幼稚園児から小学生が自由に来て宿題や工作を行う放課後児童クラブ、土曜日には美川子ども英会話教室を開催しています。

 昨今、共働きの家庭が増えたり、家庭環境が多様化したりする中で、子育てを頑張っている世帯を応援しようと、地域の大人たちがボランティアとして参画し、子どもの居場所を提供しています。もちろん、大人向けには約100名の会員がいる大人気のシニアサロン(パソコン教室)や囲碁、卓球、よさこい、ズンバなどたくさんの教室が開催されているので、子どもと大人が様々な目的で公民館に集まってくるという今の状態は、館長としてもとても嬉しいことです。

  

(写真左:美川子ども教室        写真右:パソコン教室)            

 

 

 

まちを挙げた「子育て世帯定住プロジェクト」

―現在、美川地域では、平野さんを中心に子育て世帯の移住政策に力を入れていると聞いたのですが、どんな取組をされているのですか?

(平野さん)私が会長を務める美川連合自治会では、2015年度に美川小学校の新入生が5人になった危機感から、自治会間のネットワークで移住希望者の情報を集めて空き家を紹介する取組を始めました。

 また、子育て世帯のIターン者には、2018年から市の補助金を活用し謝礼制度を始めました。小学生以下の子どもがいる世帯を対象に、移住後1年間、1世帯当たり1万円を毎月贈っています。人口減少対策を含むまちづくりをテーマにした全戸アンケートの実施(2017年)、連合自治会内の「人口増加推進部会」の設置(2019年)など、住民の協力も広がって、2017年度以降6世帯21人の子育て世帯の移住者がありました。

  

(写真左:美川地域体育大会       写真右:高井ヶ岡八幡宮 御神幸祭) 

 

 

 

子どもは地域の活力!美川で子育てしませんか?

―昔と比べてずいぶんと子どもの数が減り、第四中学校の統合議論も浮上していますよね。美川で生まれ育った私も地域の存続を考えると本当に心配です。

(平野さん)そうなんです。かつてこの辺りに11軒あった飲食関係の店も、この10月で最後の商店が閉まり0軒になりました。20113月末時点で2,035人だった人口は、今年10月末に1,704人に減少し、この間、65歳以上が占める高齢化率は33.5%から44.5%にまで上がりました。子どもは地域の活力なんですよ。

 美川地域では公民館を中心に、地域住民が一緒になって地元の幼稚園と小中学校の活動を応援し、子どもたちの成長を見守ってきました。だから学校がなくなって子どもが地域からいなくなるのは我々にとって死活問題なのです。自然に囲まれ、市中心部も近い美川は本当に住み良い地域だと思うので、興味を持った方はぜひお気軽にご連絡ください。『美川はいいとこだけぇ、いっぺん来てみんちゃい(^_^)/

 

(写真:職員の皆さん)

 

 

 

★美川公民館

 住 所:島根県浜田市内村町592-1

 電 話:(0855)27-3657FAX兼用)

 メール:mikawa-k@ph-hamada.jp

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