東京都中央区築地にある「一般社団法人東京築地目利き協会」。江戸時代より脈々と続く日本の魚食文化を培ってきた、魚河岸の目利き文化の維持発展のため日々活動を行っている協会です。

　今回は、当協会の常務理事でありかつ浜田応援団員でもある根本朋美さんの企画により、浜田漁港で獲れたフグ（マフグ）を使ったオンライン料理講座が開催されましたので、密着してきました。オンライン講座のゲストに、浜田市の渡辺鮮魚店、有限会社サエキさんを招き、マフグの捌（さば）き方やマフグフィレの製造過程についての説明もありました。

　根本さんたちのわきあいあいとしたトークと共に、おいしく召し上がるための調理方法についても画面を通じて学ぶことができました。参加された方からは既に次回の企画も期待されています。

見えることで安心して食べられる

‐講座のコンセプトを教えてください。

（根本さん）今回実施した講座は、魚の知識と、卸し方、下ごしらえや調理の仕方の技術を学び、各自実践していただくための講座で、私たち東京築地目利き協会のコンセプトにも重なるのですが、海から食卓（食べる人）までの「安心・安全の見える化（トレーサビリティ）」の一環を目指したものです。

　今回扱ったマフグがどこで獲れて、どうやって皆様の手元に届くかを知っていただくために、生産者や仲卸の方を通して、捌き方などを動画で紹介しました。産地がわかり、そして誰がどう扱っているのかを目で見ることで、安心安全に繋がります。そうすることで、魚への想い、日本人としての誇り、食べものを大切にする心が培われ、子供の食育にも繋がると考えています。

（写真左：東京築地目利き協会の根本朋美さん　　写真右：今回企画したオンライン講座）

『東京築地目利き協会』のサイトは　こちら

‐動画では、浜田市の企業さんをご紹介されていましたね。

（根本さん）最初にご紹介したのは、有限会社サエキさんです。今回ご紹介したマフグのフィレは、浜田漁港で水揚げされたコラーゲンたっぷりの旬のマフグを、鮮度の良い状態で身だけのフィレに加工しています。真空包装し急速凍結してお届けするので、家庭で解凍し調理すれば美味しく召し上がれます。

（写真左：市場で目利きする佐伯さん　写真右：マフグフィレについて紹介してくれました）

‐次にご紹介された渡辺鮮魚店さんからは、普段なかなか拝見できないマフグの捌き方を見せてもらえましたね。捌くところからの白子も初めて見ました。

（根本さん）フグは毒があるため調理免許がないと捌けないので、スーパーで販売されていても切身の状態ですからね。白子も見る機会はないですよね。私は子供のころに湯豆腐と勘違いしていました（笑）

（写真：丁寧にマフグの説明、捌き方を教えてくれる渡辺鮮魚店の店主：栂野『とがの』さん）

美味しい魚食文化を伝えること

‐今回の講座で工夫したことはありますか。

（根本さん）はい、やはりZOOMを使ったオンラインでの講座だったので、画面を通してでも調理方法が分かりやすく伝わるように心がけました。そのため、私一人では難しいと考え、常務理事の荒川あやこと協力しながら、手元が分かるよう小型カメラを近づけるなど工夫しました。また、受講者に対してもその都度質問を受け付ける環境を整えました。テレビの料理番組では質問を受け付けないですからね（笑）。

（写真：小型カメラも使いながら解説する根本朋美さん［左］と荒川あやこさん［右］）

（写真左：マフグフィレの下ごしらえ　　写真右：薄く包丁を入れ、切り身にする）

（写真左：フグの唐揚げ　写真右：フグのみりん干し）

‐今回料理で使ったマフグフィレを注文することはできるのですか。

（根本さん）はい、注文できますよ。東京築地目利き協会では、今回扱った浜田漁港のお魚だけでなく、豊洲に入ってくる全国の食材も扱っています。ご希望があれば、オンラインで注文することができますので是非ご覧ください。

『東京築地目利き協会』のオンラインショップは　こちら

根本さんの挑戦

‐今後浜田に関してチャレンジしてみたいことは何ですか。

（根本さん）今後もお魚を使ったオンライン講座を継続したいですね。浜田にはこのほかにも魅力的な食材がたくさんありますから。

　先日は、浜田市の方からお声掛けいただき、【アカモク】という栄養価の高い海藻についてディスカッションに参加させて頂きました。浜田ならではの食材、調理法、活用について、学ぶことが出来て楽しかったです！

（写真：オンラインにより［こくふアカモク隊と］意見交換をする根本さん）

（根本さん）オンライン講座の流れで、今回ゲストで参加された渡辺鮮魚店や有限会社サエキさんの会社を訪問、浜田から、浜田の事を知って頂くためのオンライン講座を開催したいです。

　浜田市は2021年3月に浜田漁港周辺エリアに「はまだお魚市場」が整備される予定ですので、お客さんで賑わう市場のレポートもしてみたいですね。

（写真：2021年3月にオープン［仲買棟のみ］するはまだお魚市場）

※商業棟のオープンは、夏以降を予定しています。