令和3年7月3日、東京都杉並区にある「座・高円寺2」で石見神楽東京社中10周年記念公演が開催されました。新型コロナウイルスの感染防止対策が徹底された会場には、島根県西部の伝統芸能【石見神楽】を観るため多くの来場客が訪れました。

　当日の演目は塩祓・道返し・恵比須・大蛇の４演目。時折会場からは大きな拍手が送られた。

　今回会場に駆けつけてくれたのは浜田応援団の和川さんです。和川さんは昨年浜田応援団に登録され、以前から関心のあった石見神楽の応援活動を希望されていました。このたび念願の神楽公演が都内で開催されると知り、レポート協力をいただきました。是非最後までご覧ください。

待ちに待った石見神楽上演

‐神楽公演はどのような場所で行われたのですか？会場の様子を教えてください。

（和川さん）JR中央線の高円寺駅から歩いて5分の場所にある「座・高円寺」で開催されました。その地下2階にある「座・高円寺2」というフロアで約200席ある会場でした。

　私は以前から石見神楽の大ファンでしたが、新型コロナウイルスの影響により各地で開催が見送りとなっていたので、こうした大きな会場で見ることができとても幸せです。

　コロナ禍の中での公演ということで、アルコール消毒や連絡先の把握、席も1席飛ばしで社中の方たちは舞台上からのごあいさつのみと感染対策も徹底して行われていました。

（写真左、中央：会場となった座・高円寺　写真右：当日会場で配布されたパンフレットなど）

観客を魅了する石見神楽の演目

‐当日はどういった演目がありましたか？

（和川さん）最初は【塩祓（しおはらい）】という演目です。塩祓は石見神楽の基本動作も含まれており、神楽の最初の演目でよく演じられます。今回は舞手2人とも女性メンバーという珍しい構成でした。

　最近浜田でも女性だけの社中さんが出来たそうですが、東京社中さんはわりと以前から大蛇（おろち）の稲田姫や儀式舞に女性の方が出演されています。

‐【道返し（ちがえし）】はどのような演目でしたか？

（和川さん）実は一番のお目当てでした。石見神楽の中でも道返しは最も好きな演目の一つであることと、今回クラウドファンディングで作った新しい鬼着のお披露目演目ということなのですごく楽しみにしていました。

　悪鬼が舞台下から現れて観客を驚かせたり、プロジェクションマッピングを使用して通常の舞台にはない照明効果で不思議な空間を作り出したりと、今までの東京社中さんにはなかった演出で楽しませていただきました。

　また衣装の早変わりも以前と比べてかなり洗練されていました。

‐続いての【恵比寿（えびす）】は多くの方が知っているかもしれませんね。

（和川さん）そうですね、恵比須は結婚式など祝い事の場でも舞うことがありますから多くの方が知っていると思います。子供たちにとっても鯛釣りの前に撒き餌として飴が投げられるのでとても印象深い演目だと思います。（残念ながら今回は感染対策で飴は撒かれませんでした。）

　写真では分からないかもしれませんが、この恵比寿は東京社中代表の小加本行広さんが舞っておられるので安心して楽しめました。ただこの後の演目：大蛇（おろち）が控えていたので、いつもより短めだった気が・・・(^_^;)

‐最後の演目、石見神楽の締めといえばなんといっても【大蛇（おろち）】ですね。

（和川さん）大蛇もいつも舞っている方なのでこちらも安心感がありました♪火炎放射はありませんでしたが、スモークと照明効果でこちらも最高の出来でした。

　会場からは大きな拍手で大盛り上がり！！終わってみればあっという間の2時間でした☆

和川さんと石見神楽

‐上演後にクラウドファンディングで達成した衣装のお披露目があったそうですね。

（和川さん）そうなんです、最後のあいさつのときに、おニューの鬼着を見せてくださったのですが、メンバーの中には泣いている方もいらしてこちらまでうるっと来ました。

　今までも天神（てんじん）や道返しはたまに演じていたのですが、衣装は他の社中さんから借りていたそうです。今回刺繍の入った立派な鬼着と大口袴を仕立てられたのは今後の活動にも役立ちますし、すごく良かったと思います。

『石見神楽東京社中』のリンク先は　こちら　

‐和川さんは今後どんな応援活動をしたいですか？

（和川さん）緊急事態宣言が終わりコロナが終息すれば、石見地方弾丸ツアーに行こうと思っています。浜田市では歴史ある神社で週末に夜神楽をされていますよね。浜田市にはたくさんの神楽社中があり、社中ごとに得意な演目や特徴があるので楽しみにしています。

（演目：鍾馗　協力：西村神楽社中）