外浦 千花子さん(だしの外ノ浦十太屋)

主婦が手がける浜田産だしパックのこだわりとは?

2022.04.27

浜田市で手作りだしパックを製造するひとりの主婦がいる。浜田漁港で水揚げされた魚を丁寧に捌いて製粉し、ブレンド、袋詰めまでをひとりで行っているという。彼女の作るだしは雑味がなく、食す人を優しい気持ちにしてくれる。今浜田でにわかに注目されている、だしの外ノ浦十太屋の店主・外浦さんにお話を伺った。

 


 

 

主婦がたったひとりで自宅キッチンからだし製造を始める

―だし製造を始めたきっかけを教えてください。

(外浦さん)実は、子どもの頃から浜田のことがあまり好きじゃなくて。県外に出たり、市外で働いたりしていましたが、浜田のイメージはいつもグレーで曇っていました。それでも生まれ育った浜田のことを気にはなっていました。それで、自分の人生の集大成として、浜田で何かできないかと考えるようになりました。以前両親が水産加工業を営んでいた頃は、よく手伝っていましたし、色んな人との出会いのなかで「自分は水産加工でいくんだ」という自覚が芽生え、5年ほど前からだしの製造に取り掛かりました。その後、このまま趣味の域に留まっていてはいけないと思い立ち、昨年10月に開業届を提出しました。

 

 

 

どんちっちじゃない、雑魚がだしとして輝けるように

―すべて手作業で製造されているとお聞きしました。だし作りのこだわりポイントは何ですか?

(外浦さん)こだわりとしては、魚種は決めず、頭の先から尻尾までありがたくいただくことです。意外だと思われるかもしれませんが、だしに使う魚は小さくて脂質が少ない方がいいです。だから、競りに出せないような雑魚がちょうど良くて、脂が乗っている水産ブランド「どんちっち」は向いていません。

 だし製造の工程は、そんな小魚の内臓を取り除くところから始まります。加熱処理を行い、機械で乾燥させて砕いたら、浜田産の塩と椎茸、北海道産の昆布をブレンドし袋詰めします。すべてを一人で行うので大量に作ることはできませんが、一つ一つの作業を丁寧に行い、浜田の恵みの味を閉じ込めただしパックを作っています。

 

 

 

すべてが試行錯誤、販路開拓はこれから

―起業後、うまくいくことばかりではなかったと思います。失敗エピソードを教えてもらってもいいですか?

(外浦さん)周りにやっている人がいない分、すべてが試行錯誤です。まずは魚の仕入れからですが、スーパーには立派な美味しそうな魚しか並んでいないし、最初は卸業者との伝手もなくあちこち探し回りました。そうそう、だしパックについ「どんちっち」と書かれたラベルを付けちゃったことがあって、ブランドの商標登録を行っていることろから連絡を受けたこともありました。

 

 

-市外にいる浜田を応援してくれる方たちにお願いしたいことを教えてください。

(外浦さん)これから販路開拓に力を入れていきたいと思っているので、皆様にはSNSで「だしの外ノ浦十太屋」を拡散いただけたら幸いです。現在はネット販売に加え、ゆうひパーク三隅と自然派キッチンつくし(料理にも使用されています。)に商品を置いています。ノベルティとして使える少量パックも販売していますので、名刺代わりに使っていただけたら嬉しいです。

 

 

 

先祖がルーツを持つ外ノ浦に拠点を構え、人が集える空間を作りたい

―今後、「外ノ浦十太屋」をどのように展開されますか?外浦さんの目標を教えてください。

(外浦さん)最終的な目標は、外ノ浦町に製造販売と人が集う空間を作ることです。せっかく北前船寄港地の日本遺産になったのに、立ち寄る場所がないのはもったいないと感じています。それから、外ノ浦にこだわるのは、両親の水産加工会社の屋号が「外十(とのじゅう)」だったから。先祖は外ノ浦で船乗りをしており、広島まで船で魚を運ぶ行商をしていたそうです。私が先祖からの屋号を継ぎ、ルーツを辿って外ノ浦に戻る。そのためにも外ノ浦に空き家あったら教えてください(笑)

 

*外ノ浦十太屋ホームページはこちら https://tono10.theshop.jp/

 

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