武元 昌伸さん(くるくる農園)

ニワトリと大豆をめぐる循環型農業とは?

2022.07.20

武元さん夫婦が営むくるくる農園は、奥島根の“秘境”浜田市弥栄町にある。梅雨明けの朝に農園を訪れると、ニワトリたちが嘘みたいなお手本通りの「コケコッコー」で出迎えてくれた。武元さんが作る野菜はすべて無農薬。その場しのぎで農薬を使うと、土中や生態系のバランスが崩れてしまうからだという。“自他共栄”をモットーとしている夫婦が力を入れるのは、脱炭素化(肉の消費量削減)を意識した循環型農業だ。畑に自家製の鶏糞を使い、堆肥から育った大豆のクズがニワトリの餌に。そんな循環が農園の名のごとく「くるくる」とまわり始めている。

 


 

無農薬で作る旬の野菜とめでたまご

―くるくる農園では、どんな野菜を作っていますか?

(武元さん)季節に合わせてできる野菜を作っています。今の時期(7月中旬)はトウモロコシとズッキーニが旬ですね。最近はズッキーニが次から次へとできるので、毎朝5時から収穫しています。獲れた野菜は市内の飲食店などに配達したり、自宅前の直売所にて無人販売をしています。さらに、90羽のニワトリを飼っていまして、産みたての卵を“めでたまご”と名付け販売しています。

童心をくすぐる手作りの直売所

直売所には旬の野菜が並ぶ。なんと全部100円!

 

 

野菜を売る八百屋から作る農家へ転身

―農家を目指すにあたり、何か転機があったのでしょうか。

(武元さん)以前、都市農家さんと仕事をすることがあって、そのとき頂いた野菜がめちゃくちゃ美味しかったんですよね。純粋にこれを作れる人たちのことをかっこいいと思ったのが、農業に興味を持ったきっかけです。その後、夫婦で神奈川県川崎市に地産地消と量り売りにこだわる八百屋を開きました。3年ほど続けましたが、やっぱり作る側の第一次産業に携わりたいと思い立ち、12年前に浜田市弥栄町に移住しました。林業の会社に勤める傍ら、水稲や畑作をはじめました。農業に専念してから今年で9年目になります。

仲良く野菜の袋詰めをする武元さん夫婦

 

 

大豆から始まる循環型農業

-大豆の栽培に力を入れる理由を教えてください。

(武元さん)きっかけは、飼っているニワトリを殺すのが可哀そうに思えてきたからです。「脱炭素」に注目が集まるなか、肉食を少なくして、緩やかな菜食主義へと移行することが提唱されています。日本各地にはいろいろな種類の大豆があり、普段目にする白大豆、黒大豆だけではなく、茶大豆、緑大豆、赤大豆、鞍掛豆、、、実は美味しい豆が沢山あります。くるくる農園ではいろいろな種類の大豆を作って楽しんでいますが、近くの農家さんも巻き込んで、いろいろな大豆をたくさん作って、たくさん販売していきたいなと企んでいます。

小屋から出られて嬉しそうなニワトリたち

 

 

大豆栽培に共感してくれる仲間が集う場を作る

―私たちにお手伝いできることはありますか?

(武元さん)自宅横に新たに古民家を借りました。ここを豆好きが集まり、脱穀作業をしたり、販売方法や料理のレシピを考えたりする場にしたいと考えています。日々の農作業が忙しくなかなか作業が進まないので、家の掃除や庭木の手入れを手伝っていただける仲間を探しています。山あいの綺麗な空気や土に触れながら、一緒に大豆のことを語りましょう。

≪応援プログラムはこちら≫(該当ページにリンクします)

豆の選別機に夢中な武元さん

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