佐々木さんは、2021年に東京都より、浜田市にUターンした。
現在は石見海浜公園で働きながら、自身が立ち上げた劇団ふわくせで演劇を創作・上演している。
好きなことに全力でとりくむ佐々木さんとの“かかわりシロ”を探っていく。
―3年前(2021年)に東京都からUターンされました。Uターンしようと思ったきっかけは何でしょうか?
(佐々木さん)コロナ禍のなかで、地方に移住したいと思いました。移住支援について情報収集をして浜田応援団の助成も利用しました。
―浜田市での暮らしはいかがですか?
(佐々木さん)現在勤めている株式会社ISPは石見海浜公園の指定管理をしています。
海の近くで働けることになって、最初はすごいいいところに来た!と思いました。
でも毎日ここにいると素敵な自然環境も当たり前に感じるようになって、今は雑草が生えていたりとか小さいことが気になっちゃいますね。(笑)
海浜公園で働きながら木工クラフトをしたり自然の中で料理をしたりする中で、自然との遊び方がさらに分かってきました!
(毎月行っているノルディックウォーキング。参加者の方と公園内を歩きます)
生まれたのも浜田市でもともと自然が好きだったという佐々木さん。こういう仕事をしたいという想いが以前からあったとのことです。
―演劇は昔から好きだったのですか?
(佐々木さん)大学進学で浜田をでるまではサッカー少年でした。大学時代は神奈川に住んでいたのですが、神奈川には小劇場がたくさんあって。そこで演劇をいろいろと鑑賞しているうちにやってみたいなと思い、劇団にメールをして一人で稽古場に行きました。もちろん、それまで演劇は未経験だったのですが、そこで劇団に入れていただくことができ私の演劇人生がはじまりました。
―その頃から意思と行動力がとてもあったんですね!現在佐々木さんが代表をつとめておられる「劇団ふわくせ」での活動内容を教えてください。
(佐々木さん)もともと浜田に戻ってから演劇を続けるつもりはありませんでした。なので、こちらに住み始めてしばらくは活動をしていなかったんです。また始めてみようと思ったきっかけは、知人から誘われて第八回中国ブロック劇王決定戦に出場したことです。この劇王というのは、15分の短編演劇を上演して審査員・観客からの得票数を競う大会です。参加者はそれぞれオリジナルの脚本を上演します。結果、勝ち上がって劇王の称号を得たことも、演劇を再開する後押しになりました。
(令和5年9月に上演した「狐のお面」)
―どのように演劇の物語を考えておられるのか教えていただけますか。
(佐々木さん)実は劇団に所属していた当時は演出や脚本はやったことがなかったんです。
劇王の時にはじめて自分で物語を創作しました。
私が書くお話は地元をテーマにしたものが多いです。「狐のお面」は石見神楽の黒塚をお題にしていますし、「梅の花咲く庭」は現在私の職場でもある石見海浜公園を舞台にしています。
また、「きつねがひろったイソップものがたり」という安野光雅さんの作品を朗読・リーディング公演用に脚色・演出をしたこともあります。
自分が胸のうちにかかえている想いや言葉って、口に出して伝えられなかったり、言葉ではすべてを伝えることができないことってあるじゃないですか。
また、自分のなかで答えが決まっていないもの、考えが固まっているわけではなくて曖昧なままのものを演劇をとおして表現し、伝えることができるんです。
そして、そういう自分の想いを込めた演劇を見た方に感想を言ってもらえたときは、表現するって楽しいなと思う瞬間ですね。
(令和6年1月に上演した「梅の花咲く庭」。佐々木さんは公園の職員を演じています)
―ご自身を表現する大切な手段になっているんですね。神奈川で演劇をされていたときと、現在とで変わった事はありますか?
(佐々木さん)すごく変わりました。
演劇を作る過程も楽しいんです。皆の想いをぶつけ合いながら、一つの作品を作っていく中で、自分とは違う考えの人に出会えますし、自分の伝えたいことが、見てくれる方に伝わっていくのが嬉しいです。
神奈川では演じる楽しさで演劇に魅了されていましたが、浜田に帰ってきてからは、そこに演劇を創っていく楽しさが加わった感じですね。
―「ふわくせ」というの劇団の名前の由来を教えていただけますか?
(佐々木さん)そうですね、「ふわくせ」というのは造語ですね。自分が忘れないようにしておきたいことといいますか。「この世界には境なんてないよ」という想いをこめて名前をつけました。漢字にすると「不或世」ですが、かわいくないのでひらがなにしました。(笑)劇団の名前ではありますが自分自身の生き方にも影響ありますね。海浜公園の仕事をしているときも、劇団の活動をしているときも、垣根無く居たいと思っています。
―劇団の活動のなかで大変だったこと・印象に残っていることを教えていただけますか?
(佐々木さん)まず演劇というものを浜田で知ってもらうことが必要でした。東京や神奈川のほうだと、劇場もたくさんあるし、劇団もたくさんあるんです。だから自然と演劇を見る人も多いのですが、浜田ではそもそも演劇をみる習慣がある人が少なくて・・・
最初のうちは自分がやりたいことができていればいいと思っていたのですが、だんだんそうじゃなくてもっとたくさんの方に見ていただきたいと思うようになりました。
-現在、浜田に戻られて3年目ということですが、来年以降のプランを教えていただけますか?
(佐々木さん)実はいろいろと構想があるんですよ・・・
将来的にはもっとメンバーを増やしたいと思っています。
そして「市民劇」のようなかたちで未経験のかたも参加してもらって演劇をしてみたいです。
しかもミュージカル!オーケストラの生演奏でできたら最高だな~と思っています。
また、海外での公演もいつかしたいなと思っています。まずはお隣の韓国からかな。演劇は言葉がわからなくても世界とつながれると思います。
―佐々木さんの「かかわりシロ」は何ですか?困っていることがあれば教えてください。
(佐々木さん)劇団のほうは公演の依頼をいただければ、どこへでも出張します!
2025年1月には初めて益田のグラントワで公演を行うのですが、これもいろんな方に演劇を見てもらう機会が増えればいいなという想いで計画しました。
ホームページやInstagram、Xで公演情報も発信しているので、ぜひ演劇を見てください!
海浜公園のお仕事では応援団のみなさんにたくさん関わっていただきたいことがあります!
石見海浜公園ではサポーターズクラブのようなかたちで、イベントをする際などにボランティアとして活動していただける方を募集しています。活動内容は様々で、現在は海浜公園で行うイベント(ビーチクリーンやビーチバレーボール大会、子ども向けの自然体験教室など)のときにお手伝いいただける方を募集しています!
また、応援団のみなさんからこんなことしてみたら?という提案もお待ちしています。
みなさん主催の海浜公園でのイベントも大歓迎です!
(石見海浜公園でのイベントの様子)
たくさんお話をお聞かせいただきありがとうございました。
佐々木さんの活動にぜひ関わりたい!という応援団の方はぜひご連絡をお願いします!
(令和6年6月27日取材)
あなたの⼒で地域を元気に︕地元を応援したい︕誰かの役に⽴ちたい!
私たちはそんな想いを持っている人を探しています。
浜田に住んでいるわけじゃないけれど自分の知識、スキル、経験を活かして夢や使命を持ってがんばっている地域の人たちに「てごをする。」そんな“人とのつながり”って素敵だと思いませんか︖