地球堂模型店は、島根県浜田市にある模型店です。
初代店長時代からのキャッチコピー「作る楽しさ!飾る喜び!夢を育てる!」をモットーに皆さんの趣味との出会いを応援していらっしゃいます
今回は、店長の南條達也さんにお話をお伺いしました。
―地球堂模型とはどんなお店ですか?
(南條さん)
模型屋さんとして1957年から67年続いています。
名前の通り、模型や、工具などを取り扱っています。
その他、月1~2回でイベントを行ったりしています。
店内を歩くと、模型といっても、プラモデルや模型だけでなく、ジオラマのキットやインテリアにもなりそうな小物や、私の好きなジブリの世界観が再現されたミニチュアの置物などいろいろなものが置いてあって、見るだけでワクワクします。
―現在3代目ということですが、創業時から変わったこと、変わらないことはどんなことがありますか?
(南條さん)
初代店長(祖父)の時はプラモデルを中心にラジコン、鉄道模型などを取り扱っていました。あとは、季節に応じて、例えばお正月前はボードゲームや、テレビゲームを置いたりしていました。
祖父は「店を守る」という感じでしたが、僕は店の外に出ている時間も結構多いです。
僕の代で変わったのは、お店の奥にある「工作室」を作ったことです。
工作室でのイベントは、子供向けの内容でも、保護者や大人の方も沢山参加していただき、世代を超えてお客さんが集まってくださっています。
他には、保育園や学校の図工の授業で「ものづくり」を子どもたちに教えたり、浜田市内外でイベントを企画し、開催しています。
販売だけでなく、「ものづくり」の楽しさを広めるためにたくさんの活動をされておられ、インタビューをさせていただきながら浜田の「わくわくさん」のような印象を受けました!
(南條さん)
工作室でのイベントや、学校などでの授業では、アイデアマンになろう!というテーマで教えています。子どもや参加者皆さんのひらめきを大事にしたいと思っています。
保育園の子どもたちは同じものを作っても、ひとりひとり全然違うものができるんです。逆に、高校生向けに授業をするとき、見本と同じように作ろうという固定概念にとらわれるとみんな似たような作品になってしまうことがあったりします。見本と同じように作るのではなく、ひらめきや自分のアイデアを大事にしてほしくて、いろんな道具、素材をつかってアイデアマンになってもらうことを教えています。
(南條さん)
工作室でのイベントの時に、みんな工作中どんなことを話してるのかな~と思って聞いてみると、実は模型の話はあんまりしてないんです。親子ほど年の離れたお客さん同士が親目線からのアドバイスをしたり、逆に子ども目線から自由な意見の交換があったり、本当の親子では相談できないことも、他人だから相談できたりする事もありますね。
共通の趣味があるから話しやすいのかもしれないですね。
ホビーを通じて歳の離れた友達や繋がりもできています。
―お店のこだわりを教えてください。
(南條さん)
「ほしいものがきっとみつかる」というモットーは初代店長の時代から変わっていません。
僕は、お客さんの欲しいものはもちろん、自分の欲しいものも沢山置いています。
工具なども珍しいものを置いておいて、来たお客さんを驚かせたい!と思っています。
珍しいものを求めて、県外から来られるお客さんも多いです。
―模型屋さんのお孫さんとして産まれて、お店を継ぐに至ったきっかけを教えてください。
(南條さん)
小さいころから模型が身近すぎて、「模型が好き」という感覚はなかったです。
模型がいつもすぐそばにあったので癖で何かを作っていました。お店を継ぐように言われたことはなくて、
時代の流れで模型が廃れていくのを感じ、大学生の頃、大阪に出ました。
昔から困っている人を放っておけなくて、人を喜ばせること、「おせっかい」が好きなのですが、大阪で過ごす中で、
「おせっかい」が必要とされていると感じなくて、自分の無力さを感じました。そんな中、塾講師という仕事にたどり着き、
自分の「おせっかい」を存分に活かすことができました。生徒からの指名がはいると指名料がつく変わった塾だったんですが、
塾で№1を2年連続でとったら辞めるぞ!と決めていて、宣言通り№1になり、祖父の体調のこともあり、お店を継ぐために浜田に戻ってきました。
「おせっかい」と言われていますが、いろいろなエピソードを聞かせてもらうと、人を喜ばせることが好きだということがとても伝わってきました。
-南條さんのおかげで、浜田にいる若い世代も「模型屋さん」を身近に感じるようになったのではないでしょうか。
身近に感じてもらうための工夫やこだわりはありますか?
(南條さん)
模型と聞くと、男の子が作るものみたいなイメージがあると思いますが、僕はそれをなくしたいと思っています。
イベントを開催すると、子どもたちだけでなく、保護者の方にも参加してもらえるので、家族に「ものづくり」の良さに気づいてもらったり、SNSや口コミで女性や幅広い世代にも広まっているのではないかと思います。
実は、お店のYouTubeもより模型を身近に感じてもらいたくて始めました。
週に1回くらい投稿していて、これまで290本くらい投稿しています。
YouTube、とっても面白いのでみなさんぜひ見てみてください!
南條さんの人柄やものづくりの楽しさが伝わってきます。
(南條さん)
男の子向け、女の子向けという言葉はあまり使わないようにしています。最近はアクセサリー作りや、DIYをする方も増えていて、
アクセサリーを作るときに便利な小さい工具や、女性でも使いやすい便利でおしゃれなツールを少しずつ増やしていっています。
―お仕事をされるうえで、どのようなやりがいを感じていますか?
(南條さん)
ありがとうと言われたときです。
さっきもお話しましたが、「おせっかい」が好きなんです。仕事って好きな業務ばかりではないと思うんですが、
自分の本能に触れるものがあればやりがいが感じられるし、すごく充実感を感じます。僕の場合は「人を喜ばせること」が好きなので、
お客さんにものづくりの楽しさを伝えたり、接客の中でいろいろなお話をすることが「おせっかい」を存分に発揮できて天職だと感じています。
自分のおすすめした模型を作られたお客さんが、感想を伝えてくださったり、SNSに作品を投稿してもらった時もすごく嬉しいですね。
―地球堂模型さんのホームページを見ると、さまざまなイベントを企画されていますよね。イベントの想いや、始めたきっかけを教えていただけますか。
(南條さん)
「ホビー大学祭」は今年の3月で8回目になります。ありがたいことに年々参加者が増え、今では1日2000人を超えるイベントとなりました。
「地元で遊べる場所がない」という言葉は、地元に住んでいると、たびたび耳にする言葉のひとつです。
遊べる場所や商品を提供している立場としては、「これはイカン!遊べる場所はあるよ!趣味をもつ楽しさを知って欲しい」
そんな想いから始まったのがホビー大学祭です。
自分の作ったものを自慢できる場所があると、モチベーションがアップしますよね。
そういう場を提供したいという想いがあります。
特にホビー大学祭は模型だけでなく、eスポーツやボードゲームなどいろんなお店に出店してもらっていて、色々ある中から自分の好きなものを見つけてもらう場になればと思っています。
気に入ったものを見つけておしまいではなく、その趣味についてもっと話を聞いたり購入できるお店が実店舗としてあるので、イベントの後も続けて楽しむことができるようにしています。
「ホビー大学祭」は浜田応援団員にもお手伝いを募らせていただいたのですが、南條さんを中心にたくさんスタッフさんがおられ、
たくさんの参加者でとても盛り上がっていました。
この記事を読まれたみなさんにもぜひ、地球堂模型さんのイベントを覗いてみて欲しいと思います。
―ミニ四駆大会も開催されているんですよね?
(南條さん)
模型もミニ四駆も、せっかく作ったならお披露目する機会があったら嬉しいし、うまく出来たら自慢したいじゃないですか。ミニ四駆って同じモーターや素材を使って作っても、作った人によって速さ(性能)が全然違うんです。作った後走りこめば、その人の癖がミニ四駆に染み付くし、自家用車と一緒で愛着がわいてくるんです。
今後も様々なイベントを企画していきたいと思っています。
―同じものを使って作っても性能がちがうなんて・・・ものづくりってとても奥深いんですね!!
南條さんが今後チャレンジしていきたいことを教えてください。
(南條さん)
趣味をもつ大切さをひろげていきたいです。
明日は〇〇があるから、それを楽しみに今日は頑張ろう!っていうことありますよね。
この○○とか、自分の「趣味」が明確だと人生が楽しいと思います。
僕は、模型やものづくりがみなさんの趣味の選択肢のひとつになればと思っています。
そのためにいろんなイベントや教室を開催しています。
そして、ホビー大学のようなイベントを積極的に開催していきたいと思っています。
浜田が好きなので、子どもたちに「あのイベント楽しかったな~」と思ってもらって、
「浜田って変わったまちだったな~」と印象に残る思い出を一つでも多く持ってもらえたらすごく嬉しいです。
―地球堂模型さんのホームページにもここには書ききれなかった南條さんの紹介が沢山掲載されていますので、ぜひご覧ください!
お忙しいなか、たくさんお話をお聞かせいただきありがとうございました。
(令和7年4月23日取材)
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